「高校生無頼控/感じるゥ〜ムラマサ」
●青春とは、さまざまヤルことと見つけたり!

感じるゥ〜ムラマサ3.jpg
日本映画ベストテンを占める二つの作品群――――一つは日本の社会をそのままにみとめ、はかなき小市民の「情緒」をたっぷり描く自然主義的風俗映画、一つはイデオロギーの上に腰を据えて、日本社会の欠陥を観念的に描く、「真実」あふるる通称リアリズム映画――――そのどちらも私の趣味ではない。(『ある弁明』増村保造)

感じるゥ〜ムラマサ4.jpg私も、趣味ではない。
ですから'73年度のベストワンはこの「高校生無頼控/感じるゥ〜ムラマサ」である。実はこの作品で代表させましたが、いま1本、「突きのムラマサ」と、あわせての<絶対最高>の日本の青春映画のお奨めです。

両作とも一度しか見ていませんが、只々素晴らしい、お行儀のいい東宝映画とも思えぬ快作、というより、東宝映画に突如現れた日活映画!それもその筈、日活プログラム・ピクチュアの精鋭江崎実生が東宝に乗り込んでの破天荒な傑作なのです。
なにしろこれもVHS、DVDの類一切なく、細部についての記憶はおぼろになってしまったけれど、めったやたらの感性のシャワー、
いささか形容詞句過多になるのもお許し願いたい名篇であります。

感じるゥ〜ムラマサ2.jpgそれもこれも映画そのものがもっとも尖鋭な感覚のエキスを四六時中、波動として送り届ける瑞々しさに溢れている、ということです。
大門正明としても増村保造「遊び」(’71)とともに若き日の代表作です。
短髪でちょっと遅れてきた太陽族の趣もあり、巻き舌のしゃべりっぷりも役柄にキマって、元気溌剌こんな青春送れればもう最高!(〜なんちゃって) 
と、<なんちゃって>語もキマルのであります。

何がそんなにイイかと言えば、大門正明のあまりの融通無碍なヤンチャぶり、に尽きるのだが、それを完璧にフォロー・アップする女優たち‥‥。
「突きのムラマサ」のひし美ゆり子、加藤小夜子、渡辺やよい、
「感じるゥ〜ムラマサ」の、桑原幸子、恵美(フィーミー)、
いずれ劣らぬ名花であります。要点を徹底的に切り詰めて言うなら、次から次、彼女らをヤッていくというだけのお話かもしれない。
しかし、その意気や良し! という感覚が、そのままそのテンポ、その映像の活力に投影、いささかの淀みもなくスポーツ感覚の心地よさで綴られる、ホップ!ステップ!ジャンプ!の疾走感。オリンピックもさこそと、納得の、贅肉のまったくない、ドーピングも蹴散らす快感であります。

実際シークェンスごとに大門正明が呟く『‥‥‥なんちゃって!』という台詞が、大門のいささか気障な行為をきわめて<粋>なものに昇華しているので、ちょっとこれくらい弾んで爽やかな、いわば陽の光そのままの照り返しに似た日本映画は類を見ないのですね。
  
これはぜひともわが家にキープしておきたいフィルムで、いかんせん日本映画は今日マイナーリーグと化してしまっていますが、これほどの達成を示しながら観客に恵まれず評価にも恵まれず、倉庫にしまわれ上映もされずに痛んでいくのかと思えば、「しっかと見たぞ! この心意気!」と、ひそかに讃嘆を送らざるを得ないのであります。
機会があれば逸さずに見るべき日本映画です。
プログラム・ピクチュアにこんな達成があるのかと、いまやプログラム・ピクチュアが無くなったおかげ?で、一向に修練されてこない映画監督の山!からも、遥かな頂きです!

追伸!Youtubeではありますが、観れます!
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感じるゥ〜ムラマサ.jpg 突きのムラマサ.jpg
高校生無頼控 感じるウ〜ムラマサ」(1973/85分/東宝)
監督:江崎実生
脚本:山崎巌/江崎実生
撮影:市原康至
音楽:佐藤允彦
出演:大門正明、鳳八千代、安部徹、桑原幸子、岡崎二朗、郷えい治、恵フィミー美
高校生無頼控 突きのムラマサ」(1973/84分/東宝)
監督:江崎実生
脚本:小池一雄
撮影:市原康至
音楽:佐藤允彦
出演:大門正明、ひし美ゆり子、加藤小代子、渡辺やよい、由利徹、本郷直樹、加藤小夜子

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