「心の旅路」
●愛とは、後悔しない献身!

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その活躍の期間も短く、芸域もあるいは狭く、出演本数も少ない、しかしそれでいながらはまり役を持っていたのが、グリア・ガースン。
美人女優としてはいささか顔が大きく、それでいて気品も、整った顔立ちにも申し分がなく、役柄によっては際立った成果を示した女優、グリア・ガースン。

心の旅路13.jpgほぼこの女優の真価を示したと言えるのが「キューリー夫人」('43)と「心の旅路」('42)の2本。
監督のマーヴィン・ルロイは、これに「哀愁」('40)を加えて三大名作。まさしく愛と誠実が震えるがごとき名品たち。

当時としては存分に長い124分の「心の旅路」、その心の絵模様に心を寄せて、万感胸迫るラストシーンの法悦、あり得ないこしらえものと知りつつもその巧妙、その耐えに耐えたヒロインがようやくにして導かれる口元のおごそかな笑み。これに嵌らずなんにハマると言いたいほどの豊かな心象。ひなびた家屋さえ一瞬、薔薇色にも彩られるかの喝采。

心の旅路5いま見るとさほどの存在感にも見えないロナルド・コールマンが、その存在感のなさこそを逆手に取ったこの、やはりはまり役と言っていいだろう記憶喪失の大戦時被害者、主演の二人がまさに時代の写し絵のようなキャラクターで時代を耐えに耐える。

献身を演じてこそ随一、と言っていいのがグリア・ガースン。悲劇のヒロインとしてはいささか大柄にも見えるグリア・ガースンだが、その体躯こそが、献身の発露、忍従の礎、いまでは拒否されるだろうだけのこのことばも、この女優には珠玉のいのち。

理屈でそのドラマの成り立ちを揶揄することは易しいが、ここまで作りに造るその甘美、連れ去られる快感、クラシックとはこのこと、夢の在り処とはそこ、うれしいですね、しあわせっていいですねと、淀川さんも言ったか言わなかったか、それすらも楽しい想像の、莞爾たるラスト・シーン。
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心の旅路7 心の旅路
心の旅路」(RANDOM HARVEST 1942/124分/米)
監督:マーヴィン・ルロイ
脚本:クローディン・ウェスト&ジョージ・フローシェル&アーサー・ウィンペリス
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽:ハーバート・ストサート
出演: ロナルド・コールマン、グリア・ガーソン、フィリップ・ドーン、スーザン・ピータース

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posted by 映画貴族ニャン at 12:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛>心の旅路
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