「バウンド」
●痛快至極! その上色っぽい! 心強き官能サスペンス!

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マトリックス」3作で、ときめききったアンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟の処女作「バウンド」。これは見てほしい。アンディ&ラリー・ウォシャウスキーの、いまのところ最高作である。
注目を浴びたその「マトリックス」はその仕掛けが人口に膾炙したというわけだが、この仕掛けもすばらしい。「マトリックス」は3本も必要なかったし、アクションのみがこの才能の晴れ舞台ではない、ということを明確に示す痛快至極、しかも、色っぽい……これは大事な映画の要素なのである。

ざっくりと言えば、ギャングたちを手玉にとって大金をせしめる女ふたり、ということなのだが、このふたりの女優がすこぶるいい。惚れる!

コーキー役のジーナ・ガーションは、その出演作に凡作があまり見当たらないなかなかのキャリアを感じさせる曲者女優。このあと「フェイス/オフ」でもニコラス・ケイジに遜色ない愛人役を演じた。ネイキッド・エンジェルスという劇団を主宰していた時代もあって、巻き唇の錆びた風合いがなかなかの色気をかもし、こういう女優が脇を固めていると、監督も心強い限り、と思われる。

もうひとりはヴァイオレット役のジェニファー・ティリーだが、ジーナ・ガーションとがっぷり四つの素晴らしい出来。ぼってりとした妖艶なボディと、とことんハスキーなその声で、そのおぼろげな貫禄にもほれぼれ。
間抜けで単純で殺伐な男たちを出し抜くからくり以上に、眼が離せないのがこのふたりの艶技で、その艶出し効果は映画の抜きがたい魅力である。その歩きっぷり、視線の交わし方、あげくは男女のベッドシーンも顔負けのレスビアン・ベッド・シーンがきらめくように色っぽい。

「マトリックス」でキャリー・アン=モスを格好良く見せたウォシャウスキー兄弟だが、その属性は、女をちゃ〜んと描ける監督かもしれないという期待に変わる。どだい日本映画の衰退はちゃ〜んと女を描ける監督が若手に見当たらない、というところにあるのだ。女を感じさせる女優も少ないのかもしれないが、素材を生かしきれる監督はもっと少ない。

この映画を見るとあまりの女優の素晴らしさにそんなことまで思いが及ぶ。さほどに、女ふたりがきちんとドラマの芯にいて、いささかのゆるみもたるみもない。
女性映画としてはちょっと類がないだろう。ギャング映画でありつつ、女ふたりのラヴロマンスで、しかも妖艶、いつまでもその魅力が脳裏を離れない。そしてこの二人の女優にまた遭遇するのがとても楽しみなこととなってしまう。ジーナ・ガーションはほぼ見れるものみな見てしまった。
腕っこきである。好みだろうなあ。

処女作で、巧くて達者で、色っぽい、屈指の作品を仕上げてしまったウォシャウスキー兄弟、一見土建屋兄弟みたいだが、注目!

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『バウンド』BOUND(1996/108分/米)
監督:アンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟
製作:アンドリュー・ラザー&スチュアート・ボロス
脚本:アンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟
撮影:ビル・ポープ
音楽:ドン・ディヴィス
出演:ジェニファー・テイリー、ジーナ・ガーション

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posted by 映画貴族ニャン at 13:27 | Comment(2) | TrackBack(1) | サスペンス>バウンド
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