「おもいでの夏」
●年上の女性へのあこがれ、思春期の意識過 剰!

おもいでの夏.jpg SummerOf'42.jpg 

原タイトルは、SUMMER OF '42「1942年夏」。それだけで切り取られた夏が想起されます。第2次大戦によって切り取られた、哀しくも美しい夏。
それが、思春期にもたらされたものであれば、想い出はさらに深いのです。
邦題は「おもいでの夏」。このタイトルもいいです。おもいでが漢字でないために雲に浮かぶようで宣伝部のつけた良きタイトルといえるでしょう。

ミシェル・ルグランのテーマが冒頭より流れて、極めてノスタルジックなスチルが背景となりながら、映画は始まります。
このテーマと、やはりノスタルジックな、ソフト・フォーカスで語られる映画は、これから語られるそのことが、或る普遍を獲得するための静かな導入です。

青春というより青春前期、少年から青年に移行するはざまの時間が生む、年上のおとなの女性に感じる、思春期の、自らにもどうすることも出来ない沸騰する思慕が主題ということになります。
男性にはよおくわかる主題で、シンパシイも深いのですが、果たして女性に同様の感興が望めるのか、わかりませんが、少年から青年に向かう思春期、対象の女性によっては、これほどの思慕の高まりがあるということを知るだけでも、よろしいのではないでしょうか。

一方、戦時における女性の青春というところでも、主演女優のたぐい稀な印象の良さで、大いに感情移入できるのではないかとも思われます。
この作品の成功は、そのヒロインを演じたジェニファー・オニールの美しい輝きを忘れることは出来ないでしょう。夫の肩に抱きかかえられた彼女をスロー・モーションで捉えたショットは、そのなびく髪と豊かな幸福の表情で、忘れ去れない記憶を刻みます。

後にヴィスコンティ「イノセント」('75)にも主演したジェニファー・オニールはこのとき22歳、この作品の存在によってこそ永く痕跡を留めることとなります。
ひとりの女優の、自らの幸福な作品との出会いが感じられるところです。

ティーンエイジャーの少年はゲーリー・グライムスが扮しています。
この作品の後、数作出演作が残っていますがまもなく廃業したのでしょうか、これ以外では「男の出発」('72)が見応えある作品と言えます。

「続・おもいでの夏」(’73)もありますが、見ておりません。
この作品で充分、ジェニファー・オニールのいない「おもいでの夏」なんて
というところです。
それぐらいジェニファー・オニールの、これ1本という作品だということです。続きを読む

スポンサードリンク
posted by 映画貴族ニャン at 00:31 | Comment(1) | TrackBack(4) | 青春>おもいでの夏
Copyright(C)2009by輝ける映画のときめきAll rights reserved
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。