「トゥルー・ロマンス」
●青春の夢想に嵌まりたいとき!アナーキーな青春の幻想に浸りたいとき!

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クエンティン・タランティーノです。今では国際映画祭の審査委員長だったりしますが、風貌は全くヤンチャ坊主、その映画もB級映画のノリが横溢して、映画好きが芯から徹底しています。自ら面白がっている好漢です。 

トゥルー・ロマンス」は初期の3大脚本(と勝手に呼称しますが)、自ら監督した「レザボアドッグス」('91)と、このトニー・スコット作品と、オリバー・ストーンの「ナチュラル・ボーン・キラーズ」('94)ですが、彗星のように世界を席捲、「キル・ビル」(2003)も、いかにもタランティーノ流が徹底していて、愉しいものです。
    
タイトルは純愛ものかと思って不思議ではないのですが、純愛ものです。ただそこらにある純愛ものとはまるきり違うのが、タランティーノです。しかもプラス・エンタテインメント・テクニャン⇒トニー・スコットです。この錯綜しながら実は他愛ないお話、この映像美、このキャスティング、幾度か見て、改めて感心するほどの嬉しい映画です。    

男は映画好きのヤンチャ坊主、人生を映画のように生きて行きたい男です。これもタランティーノそのままジャン、です。女はアッパラパアのコールガール、売春婦と呼ばれて怒る、まだ3人目よ、100%尽くす女よ、とのたまう蓮っ葉娘。  

クリスチャン・スレイターパトリシア・アークェット。ふたりともイイんですが、パトリシアは間違いなく代表作でしょう。モンローのようなメイクで出てくるところから、ポプコーンをばら撒くまで注目度圧巻です。姉が「デブラ・ウインガーを探して」を監督したロザンナです。この作品では原型をとどめないほどのメイクでもありますから、他の作品とは別人の趣です。ニコラス・ケイジ夫人であったこともあります。
  
この映画のふたり――若さとは実にこういうものです。このふたりがいくら得手勝手であろうが、若さとは得手勝手なものなんです、そう言うしかない。その結果、大金を得て、子供も出来、優雅に暮らしましたとさ――というおとぎ話、映画にふさわしいお話です。  

暴力シーンも痛々しいほどのものですが、北野映画のような殺伐とは趣が違います。羽毛が舞うシーンなどなかなかのロマンティック・テイストです。それにゲイリー・オールドマンデニス・ホッパークリストファー・ウォーケンブラッド・ピットまで、いやいや声だけのヴァル・キルマーまでいたぞ、それぞれの役者冥利の見せ場もそこらの映画をぶっ飛ばすほど楽しいし、<現実を進行する>かの映画に、厚みを与えています。

そことなく画面と距離感のある音楽の、終始、聞き耳を立ててしまうヌケ方が凄くイイ。これどこがおもしろいのかわからん、という人もいるようですが、このテンションは乗らなくちゃ損です。  
映画っていいなあ、現実を超えるもんなあ、です。  

監督と脚本は別人である方がイイ結果をもたらす、というのは一部の天才を除いて多くの場合、映画の公理、と言っていい、と思いますが、名脚本を名職人監督がその巧みを持って、映画のロマンティシズムに誘う、その豊かなこれは達成です。 

今後、この映画はおそらく繰り返し見るに違いありません。青春の夢想に嵌まりたいとき、アナーキーな青春の幻想に浸って、現実を押し返すような活力を身に与えたいとき、あの時代バカやるんだよなあ、そうしないと内なる平和が保てないんだよなあ、そう感じられる、青春や恋愛の夢想が、ここにはあります。この良さがわからんとはもったいないなあ。    

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トゥルー・ロマンス」(1983/140分/東宝)
監督:トニー・スコット     
製作:サミュエル・ハディダ&スティーヴ・ペリー&ビル・アンガー  
脚本:クェンティン・タランティーノ        
撮影:ジェフリー・L・キンボール 
音楽:ハンス・ジマー   
出演:クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークェット、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ゲイリー・オールドマン、ブラッド・ピット

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posted by 映画貴族ニャン at 08:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 青春>トゥルー・ロマンス
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