「モガンボ」
●男と女、その始原の原風景を、アフリカの雄大な自然で!

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モガンボ」は、猛獣映画、或いは密林映画というジャンルかと思いますが、このサイトでのカテゴリは<恋愛>です。
なにしろハリウッドのキング・ゲーブルをはさんで、エヴァ・ガードナーとグレイス・ケリーです。このキャスティング。このふたりの女優ですね。

しかも男はクラーク・ゲーブル、女は妖婦型(ヴァンプ)の、エヴァ・ガードナーと聖女型(ピュア)の、グレイス・ケリー、……男性ならこのふたりの女優のいずれにも、ある種強烈なな引力を感じてしまうのではないでしょうか? それが自然な男性の生理なのですね。

さらにしかもです。舞台は猛獣の雄叫びも間近なジャングルです。男と女の、自然な摂理が芽生える舞台装置です。
この映画はそのあたりの事情をまことに楽しく、男性ならそうだよ。判るワカる、女性なら男ってショウのないイキモノね、と感じられるかどうかはともかく、筆者にしたところで、はっきりしろったって無理だよ。エヴァ・ガードナーとグレイス・ケリーだぜ。どちらかを選ぶなんて無理難題というものだよ。……と感じます。

それを西部劇&アイルランド気質の磊落な筆致で、ジョン・フォードが演出しているわけです。西部劇ではモーリン・オハラに代表される、勝気で男勝りの女性が紅一点の魅力でありましたが、ここでその性格をこのふたりの女優に分断することで、男のア・プリオリな性情をいやでもクロース・アップすることとなります。

そのとおりキング・ゲーブルにしたところで、腰が定まりません。
女優ふたりが魅惑に満ち、キング・ゲーブルが男気を示しながらも女性関係ではちと右往左往の様子がアフリカの自然を背景に演じられます。
カラーが見事で、その背景の魅力も忘れられません。ジャングルを背景にすると、美人はさらに磨きがかかって美しくなるのは映画の必然の公理でしょうか。都会に置いて気取らせるより、女は野生に置いてこそ、その本質が描かれるのであります。或いは同性との内なる争闘の現場に置いてこそ、<女>が浮き出るのであります。

ターザン映画のジェーン役はどのジェーンも魅力がありますし、「キング・ソロモン」('50)デボラ・カー、「ハタリ!」('61)エルサ・マルチネリ、近くは「マイティ・ジョー」('98)南アフリカ出身のシャーリーズ・セロン、野生において映える女こそ真の美女というわけです。
その真打こそが「モガンボ」なのです。

まこといかにもジョン・フォードらしい、闊達な男女の造型であります。あくまで男の視点で描くとこうなるという典型、その視野ではきわめてクラシックな風雅というものがあります。快哉!

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モガンボ」MOGAMBO(1953/116分/米)
監督:ジョン・フォード
製作:サム・ジムバリスト
脚本:ジョン・リー・メイヒン
撮影:ロバート・サーティス
出演:クラーク・ゲーブル、エヴァ・ガードナー、グレイス・ケリー

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タグ:男女
posted by 映画貴族ニャン at 17:17 | Comment(1) | TrackBack(0) | 恋愛>モガンボ
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