「ドリーマーズ」
●いつか青春を想うとき、それは紺碧の空遠く!

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青春! この隔離された季節! その中にいると、その昂揚も輝きもぼんやりとしか見えてはこず、むしろ焦燥と劣等感が押し寄せてくる季節!
だが、過ぎていった青春を思うとき、それはまるごとの紺碧の空だ!

青春に在る者に、青春はもったいない。その珠玉の価値がわかるのはそれを失ってからのことだ……それは青春の公理といえるものかも知れない。
ベルナルド・ベルトリッチの「ドリーマーズ」(2003)=<夢見るものたち>は、映画と青春を共に(友に)したものにとってたまらない作品である。

マシューとイザベルとテオ。ヌウヴェル・ヴァーグたちも好きだったトライアングル・ラヴ。そのヌウヴェル・ヴァーグの精神的父といわれたシネマテークの創始者にして館長であったアンリ・ラングロワ罷免に立ち上がったヌウヴェル・ヴァーグたち(トリュフォー、ゴダール、シャブロール等)、その罷免に抗議する映画ファンたちのデモから、映画はスタートする。
そして、1968年2月に起こったデモは、やがてあの5月革命に収斂していく…。

まずこの現実にあった事件を背景とした映画へのオマージュの姿勢と、青春という二度とない時間の恍惚との絶妙なバランス、そして、崩壊への予感。

そして、そして、もうひとつ、数々の映画への讃仰に充ちた引用と埋没。映画狂の、映画狂による、映画狂のための、映画によるオマージュと、重ねられる模倣。「勝手にしやがれ」('59)「ブロンド・ヴィナス」('32)「はなればなれに」('64)「少女ムシェット」('67)etc.…ミロのヴィーナスも。
マイケル・ピット(マシュー)、エヴァ・グリーン(イザベル)、ルイ・ガレル(テオ)…その誰が欠けても成り立たない甘美な時間と空間。

一見際立った美人にも見えぬエヴァ・グリーンが、しかし動きを見せるといかにもフランスの洗練を際立たせて、その表情はアルマーニさえもが目をつけた魅惑の風情は、マルレーヌ・ジョベールの娘というが、そう聞くと、母親よりずっと美人。

イザベル!=EvaGreen⇒EverGreen!
あの季節あの時間、決して還らぬしかし忘れられぬ日々……トリュフォーが、ゴダールが、クロード・シャブロルが、ジャン・ピエール・レオが……或いはベルモンドが、ジャン・クロード・ブリアリが……エバー・グリーン。

さようなら。ぼくらの若々しく幼かった放埓の日々。
そして、さようならの後にもう一度、向かっていく灰色の将来に向かって、もう一度、イザベル!と、呼んでみるのだ。―――イザベル!

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ドリーマーズ」The Dremers(2003/117分/英仏伊)
監督:べルナルド・ベルトルッチ
製作:ジェレミー・トーマス
脚本:ギルバート・アデア
撮影:ファビオ・チャンチェッティ
出演:マイケル・ピット、エヴァ・グリーン、ルイ・ガレル、ジャン・ピエール・レオ

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タグ:青春 映画狂
posted by 映画貴族ニャン at 20:42 | Comment(0) | TrackBack(3) | 青春>ドリーマーズ
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