「ジェラシーに溺れて」
●おとなの恋愛遊びを、洒落て魅せる至芸!

ジェラシーに溺れて

スターチャンネルのポルノ枠である<PEACH>に登場した「REDSHOE DIARIES」のシリーズ5作目がこの作品「ジェラシーに溺れて」で拾い物の極め付け、思わずこの堂々たるおとなの恋愛遊びに堪能しました。
見る機会に恵まれるかどうか判りませんが、このタイトルと内容に注目していただくための、あえてことさらのお奨めです。

キイワードは、「ナインハーフ」('85)のザルマン・キングのプロデュースというところにある。
このアイディア、このカッティング、勘所を心得た役者たちのたたずまい、「ナインハーフ」的世界に心惹かれたあなたなら、この見事な職人芸に舌鼓を打っていただきたい。

ザルマン・キングという名前で「ナインハーフ」を思い出されたあなたなら、見事な映画通だ。その脚本がザルマン・キングなんですね。ついでに言うなら「ナインハーフ」を監督したのがエイドリアン・ライン、先頃「ナインハーフ」とともに代表作として並び称されるだろう「運命の女」(2002)がありましたね。
日本題名が最悪ですが、映画はダイアン・レインともども最良です。

ジェラシーに溺れて2さて「ジェラシーに溺れて」ですが、第1話はカップルで行ったクラブでの男の浮気が発端、その現場を見るなりその場を駈け去る女と追いかける男、車中での男の言い訳、許しの口説、いっかな返答をせず沈黙と無視で応える女、といった具合で、どこにもある恋人同士の痴話げんかが繰り広げられる。ほとんど全編、男の一方的なセリフで終始しながらも少しの緩みも生まないのは脚本演出演技の完成度。これだけ変哲もないお話をこんな風に魅せれる、

映画がフィルムで形造る映画機能満喫のテキストですね。
終始無言ながら女の表情の微妙な変化に注目。この女優も美貌でいいのですね。

ジェラシーに溺れて第2話第2話はビルの窓越しにアヴァンチュールを仕掛け合う男と女。会話はFAX。
その大人のゲームの行方をともども楽しむ趣向となる。男の前進、夫ある身の女の逡巡、それぞれがセンシブルな肌合いでゲームは進行していく。恋愛の効用とでも言った大人の嗜みがスリリングに展開される。
日本映画の風土ではチト無理という感覚のドラマの中を女と男が美しく泳いでみせる。

いずれもあきらかに一般映画の予算を下回る小品にも関わらず、映像はシャープに引き締まって明晰だ。

ジェラシーに溺れて第3話第3話はザルマン・キングが自ら監督しただけあって、素材は”軟禁”。しかも「ナインハーフ」で男が女を”調教”するその主題を逆転させて、女が男を”軟禁、調教”する。それも子供をその相手とするわけではないのでいささか無理な設定と思われるかもしれぬがお立会い、女は実に婦警という設定だから有無を言わさぬ下ごしらえである。

女が男を軟禁するためには体力的力関係で無理が生じるところを、婦警というだけで公務を擬しながら徐々に本懐を遂げていくあたりが脚本の巧みであるだろう。
スポーツジムで気に入った男を交通違反で連行、その違反も事前に自ら男の車のライトを警棒で叩き壊すという犯罪的行為だから極めて意志性に満ちた直接的なものである。

3篇とも一歩間違えると空疎で作為に満ちたものに終りがちな素材を、役者たちもまことに健闘、セリフの粋とあいまって生命感に満ちた映像を連続させる。嘘こそマコトとする映像のエキスがここにはあるのだ。

ジェラシーに溺れて2

ジェラシーに溺れて」 RED SHOE DIARIES('95米)
第1話 ジェラシーに溺れて (TALK TO ME BABY)
監督:ラファエル・エイゼンマン
脚本:ザルマン・キング
出演:リチャード・タイソン リディ・デニア
第2話 背徳のオフィス (DOUBLE DARE)
監督:ティボー・タカクス
脚本:ロッド・マッコール
出演:ローラ・ジョンソン アーノルド・ボスロー
第3話 制服の下 (YOU HAVE THE RIGHT TO REMAIN SILENT)
監督:ザルマン・キング
脚本:ザルマン・キング&H・コッポルド
出演:デニス・クロスビイ ロバート・クネッパー
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posted by 映画貴族ニャン at 11:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛>ジェラシーに溺れて
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